――昔、ぼくが住んでいた家――



170 :大人になった名無しさん :04/03/31 00:00
私が住んでた家は、木造の平屋だった。
友人には大きな家の子がたくさんいて、自分だけボロ家なのが恥ずかしかった。
風呂もない、トイレはポットン・・・。
でも今のようなコンクリートジャングルより味があったな。
隣の市に引っ越してから何度か見に行ったけど、
昔あったドブ川が埋め立てられ、田んぼが信号付きの道路に変ってた。
あの田んぼにはザリガニが多くいて、友人や兄や母や祖母と捕りに行ったのに。
路地を探検するのが大好きで、兄と路地の地図まで作成した。
大人になって隣の市に引っ越したけど、兄は「ここが良いから」と元の家に残った。
数年後、取り壊される事になり、その頃は未練はなかったのに
今になって色んなことが懐かしく思い出される。
今、私が一人暮らししているこの公団と、あの家の間取りはほぼ同じ。
でも楽しく過ごした家族はここにはいない。
あの貧しかった時代に戻りたいとは思わないが(今も貧しいが)、
でも、もう一度家族と暮らしてみたい。
母が待つ家に帰りたい。仕事を終えた父に「お帰り」と言ってあげたい。