――昔、ぼくが住んでいた家――



150 :sage :04/02/23 00:52
中学2年まで住んでいた一軒家。
昔風の、平屋建ての家で、建ててから大分時間が経っていたから、
隙間風もすごかったけど、広くて、小さな庭には梅や松の木や、
たくさんの植物が植わっていて、とても好きな家だった。
引っ越しのきっかけは、大家さんとの家賃のトラブル。
二重にお金をとられて、もうこれ以上住むのもしんどいと親は思ったのかもしれない。
引っ越しした後すぐに、梅も松の木も切り、家も壊してしまい、駐車場にしたと聞いた。

高校2年のとき、色々と悩んでいた頃、親に申し訳ないことをしてしまって家に帰ることができなくて、
雪が降る中、なぜかその家のあった所へ行っていた。
その時はそこしか行くことができなかった。

やっぱり家はなかった。あの木もなく、敷地には砂利が敷かれ、車が数台とまっていた。
でも唯一残っていたものがあった。隣の敷地とを分けていたブロック塀。
ちっちゃい頃よじ登ってよく遊んでいた塀だけが残っていた。
しかも、夏に家族で花火をしたとき、花火で塀に書いた苗字が残っていた。
とにかく泣いた。泣きながら帰った。
あそこに行ったのは、いやな事を忘れて小さい頃に戻りたかったからかもしれないって今は思う。

今でも夢にみるのは、今の家でなく、もう存在しないあの古い家。