>>一生忘れられないあの駅&列車・2<<



306 名前:名無し野電車区 投稿日:02/07/05 13:09 id:SW7Retop
ある北の第三セクターのローカル線。
隣町に家庭教師のバイトをしていたので、週に何度かこの路線を利用していた。
降りる駅は、ホーム一面だけで待合室すらないローカリーな駅。
車で通りかかったときに「こんな駅で乗り降りする人間なんているのか?」と言っていたが、まさかその一年後自分が乗り降りしているとは夢にも思っていなかった、人間どこでどうなるか分からないものである。
ちなみにその前の駅とその後の駅には立派な待合室があり、吹雪に吹きっさらされて「鉄道員(ぽっぽや)ごっこ」しなくてもいいのである。
行きは部活帰りの高校生でにぎやかな車内だが、帰りは終列車で乗客はひとりかふたり。
この日も、乗客は高校生と漏れのふたりだけであった。
突然、運転士さんが振り向いて「なあ、電気消していいか?」と漏れたちに聞いてきた。
「へっ、車内灯消すの?」乗客がいるのに車内灯を消すなんてこと規則違反じゃないのか、と。
しかし漏れは思った。「それ、おもしろそう。」と。
一応もう一人の乗客の方を見て、笑っていたので「いいですよ。」と運転士さんに返事した。
そして、車内灯は消された。
回送列車に乗っているような感覚が、ちょっと嬉しかった。
ふと窓の外を見た。
「あれ?こんな明るかったっけ?」窓の外は夜とは思えないほど明るかった。
一面に積もった雪に月の明かりが反射して、幻想的な景色が広がっていた。
銀河鉄道の車窓って、こんな感じなのかな・・・・・。」

そう、その路線はふるさと銀〇線・・・・・