思い出してホローリくる家族との思い出



235 名前:ウルトラの父 投稿日:2001/08/08(水) 23:38
父は仕事の関係で単身赴任をしており気付くと小学校高学年から思春期の頃
ほとんど家にいなかった。
ところで、家には不思議な座布団があった。
兄の学習机用だったのだが、無地のオレンジ色座布団に、マジックで
飛んでいるウルトラマンと、ロゴが描いてある。微妙に違うが割と上手だった。

長年謎だったのだが、大人になったある日親に聞いてみた。
あの座布団なんだったの?
母が、あれは ウルトラマンが好きだった**(私の兄)が幼い時
お父さんが描いてあげたのよ。けっこううまいでしょ。と少し
誇らしげに答えた。

父は存命しているがすっかり白髪のおじいさんになってしまった。
若い頃は家も顧みず働き尽くめの日々だった。
とてもしつけに厳しく、女の私でも自分の過ちを認められなければ
叩かれた。今思うと かなりやさしく叩いていたはずだが、
めったに父と会えなかった私には父は畏怖の対象であった。
そんな父の意外な一面。不器用な愛情表現。
いまだに その座布団を思い出すと鼻の奥がツーンとして
涙目になってしまうのだ。