旅先で出会った、忘れえぬ人たち(3)



9 名前:774RR 投稿日:02/09/18 21:40 id:XXKL3Mdd
九州ソロツーリング(十数年前)での話。

湯布院に泊まった俺は、月明かりに誘われ狭霧台へ夜走りした。
しかし、うかつにもジーパンのポケットに入れていた財布(7万入り)を落としてしまい翌朝チェックアウト時に気づく。
手持ちは百数十円、その日は日向からフェリーに乗ることになっていて、乗り過ごすと仕事に穴をあけてしまう。

急いで家に電話し湯布院の信用金庫に送金を依頼する。
宿の女将さんにおそるおそる事情を話すと大変同情され送金されるまで宿でゆっくりしてきなさいと暖かいお言葉。
近くの「別府信用金庫」に出向き、送金受け取りのため口座を開こうとしたら窓口のおねーさんに不思議がられる。
そりゃそうだ、東京の人間が口座開こうとしてんだもん。
仕方なく事情を話すとこれまたいたく同情され
「わかりました、送金が届いたら最優先でお支払いします」
と言ってくれた。
ちなみに店内は客で激混み。



10 名前:774RR 投稿日:02/09/18 21:41 id:XXKL3Mdd
完璧に一見で事務的に処理されても文句言えないはずなのに、弱っているときの情けは身に染みるっす。

数時間後、宿で茶をすすりながら時計を気にする俺の元に入金したとの電話が入る。
ダッシュで信用金庫に出向くとおねーさんが並んでいる人々を飛ばして呼んでくれる、、、

金利はつきませんが、湯布院の良い思い出を持ち帰って下さいね」

と金を渡してくれた・・・九州に足を向けて寝れませーん。

結局R10を激走した甲斐あって何とかフェリーに間に合った。
後日知ったことだが、東京から送金手続きしてくれた某都銀の営業さんもバイク乗りで、お袋から依頼を受けたら自分の仕事を全て後回しにして手続きに奔走してくれたそうな。
金融再編の嵐が吹き荒れる昨今、恩人たちに幸有れと祈る。