涙が出るほどいい話



222 :名無しさん@お腹いっぱい。 :04/06/05 01:57 id:Zu963r91
もう、6年くらい前かな。
仕事がつまらなく、心身ともに疲れて、12時頃の電車に乗った。
扉にもたれた50歳くらいの少し酒くさい男がいた。
1人で、もごもごと愚痴を言っていた

当然、周りに人は寄り付かなかった。
俺は少し気にしながらも、男と同じ側の扉に立った。
心の中で「こいつ、絡んでこないだろうな」って思いながら

いくつか駅が過ぎて、今度はこちら側の扉が開く番。
「扉が開いたらこいつ ぶったおれるかも あぶねな」
って思った瞬間 手が出ていた。
 
「にいちゃん、やさしいな ありがとう 
 俺のこと心配してくれて あんたみたいな人もいるんだよな」
そう言っておっちゃんは微笑んだ。
その目は迷子が、親を見つけた時の子供のようだった。

「おっちゃん、なんか嫌な事があったのか? だれかにいじわるされたのか?
 がんがれおっちゃん 」 
口に出しては言えなかったけど、心の中でそうつぶやいた。

でも実は、自分もだれかに言って欲しかったのかも。