【再度】思い出してホローリくる家族との思い出part4



927 :おさかなくわえた名無しさん :04/02/03 01:22 id:X1KyOtZW
叔母よ。
去年の暑い夏の日、セミの声と一緒にあなたは逝ってしまいましたね。
あなたが若くして癌に侵されていると知った時、
私の母はただただ青い顔をして、病院の窓から見える美しい春の空を眺めていました。

叔母よ。
母はあなたが逝ってから少し心がおかしいのです。
祖母も祖父も、そして叔母までもが若くして癌で逝ってしまった今、
母は体の少しの異変で癌ではないかと気が狂うほど心配し、病院に通う日々を続けています。

叔母よ。
あなたが残していった高校生の息子は、この春高校を卒業します。
彼の卒業式には叔父と、私の母が出席する予定です。
卒業式には、あの時病室で眺めたのと同じ、美しい春の空が広がっているに違いありません。

叔母よ。
あなたが昔私の進学祝いにくれた時計、そのつもりはなかったのに、あなたの形見になってしまいました。
あの時計はあなたが逝ってもなお、時を刻み続けています。

叔母よ。
あなたの時間は止まってしまったが、あなたが残した者の時間は止まっていません。
私の時計は永遠に動き続けるでしょう。
毎日私の左腕から見守ってくれてありがとう。あなたの妹も、姪も、息子も元気です。