――昔、ぼくが住んでいた家――



145 :大人になった名無しさん :04/02/19 22:33
田んぼの真ん中の通学路。
40分、延々と歩いた。退屈だと思ったことは一度もなかった。

仲良しだった友達の家。
お父さんが事業に失敗して、一家は離散したと聞いた。

ピアノの先生の家。
途中にいじめっ子の家があるので、まわり道してた。
雨の日に転んで、楽譜が泥だらけになってしまってべそかいた。

私の家。
小さい小さい家。
父が、砂場と花壇を作ってくれた。

その家から引っ越す時、「今度は広い家に住める!」とはしゃいでた。
こんな貧乏くさい家はもういや!と。

でも、住宅購入を考えている今、思い浮かべるのはまずあの家。
たったふた間の家に4人が押し合いへし合いしてた、あの家。