育児板・泣いた話



883 名前:名無しの心子知らず 投稿日:02/09/07 09:49 id:EKDBmqAC
私の母が去年他界しました。
昔から働きづめでおばあちゃんに育てられたような私。
幼稚園や学校での母親と一緒の行事に、お母さんの姿はなかった。

私の結婚が決まった頃、母は定年をむかえていた。
「あんたには、寂しい思いをさせとったし、あんたの孫はよう可愛がって
やりたいわ。おばあちゃん子にしてやるわ。」
しかし、そんな母の期待をよそに、なかなか妊娠出来ずに病院に通う日々が
5年続いた。丁度その頃、母が持病で通っていた病院から電話が入った。
「先日定期検診したのですが、、、胃の方にガンが見受けられます。」
すぐに手術をしたが医者の判断はあと半年という事だった。
「私もしかしてガン?」
母の問いかけに「そんな訳ないやん」と、必死に笑って答えた。
病院の帰りの車の中でいつも、大泣きしながら帰った。
そんな中、私が妊娠しているのがわかった。
母も、偉く喜んで、医者も驚くほど元気になった。
お腹が8ヶ月になったその日に、母は息を引きとっった。
あともう少し、あともう少しで「おばあちゃん」になれたのに、、、、、
病院で、母の荷物を整理していると、机の引き出しの奥からちっちゃな白い
毛糸の帽子と、作りかけのアフガンが出てきた。
裁縫が得意でない母、きっと何度も何度も編みなおしたであろうちぢれた糸が
たくさん出てきた。私はそれを握り締めて、嗚咽が出るほど泣いてしまった。
その時の子がもうすぐ一歳。帽子ももうちっちゃくなったよ、おばあちゃん。