旅先で出会った、忘れえぬ人たち2



156 名前:774RR 投稿日:02/06/22 23:12 id:cDS/10d3
つきあってた当時の彼が強く薦めるまま免許を取ってバイクを買った。
大抵の週末にはツーリング。とにかく彼に嫌われたくなくて一生懸命だった。
そんなことが数ヶ月続いた後、なんとなく彼が怪しくなった。他の女の影がチラホラ。
それでも私は別れる気などサラサラなかった。
そんなときに泊まりのツーリングの約束をして、集合場所にむかった。けれど彼は全然来ない。
電話をしてもつながらない。結局3時間程待っても来なかったのであきらめてバイクを発進させた。
途中で涙があふれてきた。危ないと思って歩道に停めてからしばらくメットをかぶったまま泣いていた。
ある6月の早朝の土曜日のことだった。

家に帰ろうと思ったけれど、天気がよいのでそのまま近距離の漁港に行って色々廻って、
帰りに繁華街に寄って一人でウィンドーショッピングをしてみた。とても気分が良くなって
気持ちが軽くなった。次の日、なんとなく今のオートバイよりももっと自分に合った乗りやすい
そして何よりも自分で選んだ機種に乗りたくなった。
そこで見たものはハーレーだった。
彼が「あんな時代遅れのアウトロー気取りのブルジョワ御用達マシン」と揶揄していたけれど
私はとても気に入って買い換えることにした。
ところが大型免許ではないと乗れないことを知り、私はすぐに大型教習へと向かった。
散々な苦労の末にようやく免許を手にしたとき、女性教官からの祝福を聞いて少し泣いてしまった。
そして予約していたハーレーに乗って帰宅した。
それからしばらくして彼から謝罪とやりなおしたいとの電話があったが、私はカワサキ乗りからハーレー乗りになったことを
告げて電話を切った。
しばらくは「バイクが恋人」と思ってた矢先だったがすぐにいい人が見つかった。
彼自身はバイクに乗る人ではなかったが、女がバイクに乗りつづけることに何ら抵抗のない人だった。
そして結婚。5年経った今もバイクには乗っていてそれに関してケンカになったことすらない。
これからも穏やかな日々が続くことを願ってる。