>>一生忘れられないあの駅&列車・2<<



392 名前:名無し野電車区 投稿日:02/07/20 23:08 ID:???
大荷物で乗りこむと、気の良いものの少しくたびれた感じのオジサンが
にこにこして荷物を棚へと上げてくれた。
外を眺め、子どものように楽しそうにもしている。

そして、オジサンが話しかけて来た。
「オレノ日本語、ヘンカナ?」
言葉は日本語だけど、明かに異国なまりがあった。

外国から40年ぶりに日本へ帰り、新幹線じゃ景色が見れないので
鈍行で移動しているのだそうだ。
日本に帰るかどうか決める時、その国で結婚していたから
家族をおいて帰れないと定住を決めたのだと話してくれた。

4人が二人ずつ向かい合う座席の中、なんとなく冷たい空気が流れてた。
「あんたの事情なんか知らん」そんな空気だった。
私は一人旅と言う事もあり、出会いが嬉しくてそのオジサンの話を聞いた。
切ない人生がそこにあると思った。

いとおしそうに、大事なものの様に、電車の何でも無い景色を見る姿が
今でも焼き突いて忘れられない。