>>一生忘れられないあの駅&列車・2<<

169 名前:名無し野電車区 投稿日:02/06/01 04:35 id:cFoEu1EU
高校三年の二月、家出した夜。

松本駅のシャッターが開くのを待って、窓口で東京ゆきのきっぷを購入。
寒さに震えながら乗り込んだのは、始発の5:47発中央東線立川ゆき鈍行。
スカ色の6両編成だった。当時は滅多に電車を使うことが無かったため、
これから電車に乗るのだということだけで気持ちは思い乱れ、さらに見慣
れない「立川」の文字に期待と不安が交錯する。
車内には自分以外に誰も乗客はいない。六時前とはいえ真冬の朝はまだ漆
黒の闇の中だ。
諏訪湖の畔をぬけていくうちにあたりが白みはじめ、しばらくすると、突
如燃えるような光が駆け巡った。車内は光の渦だ。眩しい。眩暈がする。
その瞬間、窓の先には、茜色に染まった白銀の八ケ岳がそびえ立っていた。

....泣いた。