思い出に残る写真



128 :名無しさん脚 :04/08/27 14:51 id:QGRBRCBb
子供の頃、母に連れられて美術館へいったとき、モネの睡蓮に感動し、あんな絵が描けるようになりたいと思った。

中学に入って美術部に入りたかったが、まわりの友達がみんな運動部に入るので泳ぎが得意だった私は水泳部へ。
1年後耳を悪くしドクターストップがかかり退部、念願の美術部へ。
しかし他の部員より遅れてのスタートなため、常に劣等感を持っていて、
自分には才能がないなどと思ってしまっていた。

そんなある日、雑誌か何かで木原和人氏の写真に出会った。
ポピーの写真だった。
それまでは花の写真なんて気にもとめていなかったが、氏の写真には何か惹かれる物があった。
同時に花を表現するのは絵だけじゃないことにも気づいた。

それから約1年、必死に金をためて念願の一眼レフを手にした。
しかしその一週間後、木原氏は他界されてしまった。
それからというもの、私は筆をカメラに持ち替え、野山を駆け回って花を撮った。

そしてやっと他人に見せても恥ずかしくないレベルの写真が撮れるようになった頃、
私の中のモネは木原氏にかわっていた。


あれから17年。私はいまだに花を撮っている。
去年、9才の娘が一眼レフで写真を撮り始めた。
被写体は花。

きっかけを作ってくれた母は、私が美術部に入った頃に絵を習い始めた。
絵を見ることは好きだった母だが、それまで自分ではまったく描いていなかった。
今から考えると私と一緒に絵を描きたかったのかもしれない。
今では個展を開くまでになった。
描いているのは花。