相手に死なれて終わった恋愛 続編



281 :ame :03/07/04 00:39
ここまで読んできてつくずく様々な別れがあるもんだなと想わされた。
様々な幸せの数だけ不幸もあるんだと想った。
オレもさ過去に悔しくてやまない突然の別れがある。
それをここに書きたくなった。
その前に言っておきたいことがある。

愛すべき者との死別を経験された人達すべて、共に生きよう。


2年前のコトだ。
オレは彼女との3日間続いた喧嘩に終止符を打った。
喧嘩を始めてから3日目にオレが謝ったからだ。
それまで口をきかず一切合切を完全無視していたお互いだが
オレが電話口で一言『ごめん』と口にしたコトで不思議なくらいうち解けあえた。
別れる寸前までいった喧嘩だったが、オレは精一杯の勇気とちっぽけな
言葉で彼女をつなぎとめることが叶った。
ただただ嬉しかった。

仲直りした3日目。
オレは彼女を家に呼んだ。
どうしても抱きしめたくて、ただそれだけの理由で周囲を気にしないですむ
オレの家に呼んだんだ。
夜23時、彼女の門限までオレらは愛し合った。
3日ぶりの幸せは今まで当たり前に想えてしまっていた彼女がいる日常の
大切さをオレに教えてくれたんだ。
嬉しかった。本当に本当にかけがえのない彼女なんだとわかった。
喧嘩はもうよそう、もう離したくない。



282 :ame :03/07/04 00:39
その夜、彼女は門限に間に合うようにオレの家を出た。
途中まで送ろうかと言ったのだが彼女はそれを断り、
その代わりにオレの家から駅までの間、電話で話そうと言ってきた。
電話よりは隣にいて送ってやりたいとは言ったのだが、彼女は
それはまた今度お願いするねと返した。
物足りないが、歩いて駅までの10分、オレは彼女を電話から見送ることで我慢した。

そして幸せの10分間は訪れなかった。

彼女は電話中に泥酔者が運転する信号無視の車にはねられた。
電話越しに彼女のこの世で最後の悲鳴、断末魔を聴いた。
即死、電話を始めてから7分後の死別だった。

彼女の最後の悲鳴は、オレの名前だった。

ついつい想ってしまう。
泥酔者が車を運転することをオレは防ぎようがない。
じゃあオレが出来たはずのコトって一体なんだ。

オレが一緒に歩いて駅まで見送ってたら何かが変わってたか。
オレがあいつを家に呼ばなければ何かが変わってたか。
オレが『ごめん』と言わなければあいつは死ななかったのか。
オレと付き合わなければあいつは。

時間を逆流して考えれば考えるほどオレは彼女にひどいことを
考えてる気がしてならなかった。


オレはやっぱりあいつを愛している。