(*`Д´)家族との思い出の味(´Д`*)



84 :もぐもぐ名無しさん :03/06/27 08:01
うちの親父は威厳もくそもない。家族からは「じい」と呼ばれ、異様な食い意地のため冷蔵庫も別。
ワープロ、パソコンと一念発起して買ったはいいが結局接続すらままならず放置。
趣味の盆栽棚にオカンに車ごと突っ込まれる始末。
それもこれも親父の頼りなさと微妙なわがままが原因。

そんんな親父の唯一いいとこは子供と遊びにいくのが好きなこと。

さいころは休日はいつもあたしと弟をどっかに連れていってくれた。
雪国生まれの親父が好きなのはスケート。
夏が終わると毎週これだ。それがなかなかうまい。
わまりの人たちを追い越してスイスイ得意げに滑る父。
たまに調子こきすぎて転倒することもあったが、滑ってる親父はとっても楽しそうで輝いてた。
故郷を思い出してだろう、あたしらが帰ろうと言ってもひとりでねばっていた。

そしてその後かならず寄ってくれるのが「ケンタッキー」。
母には内緒で。あたし達はチキンが大好きだった。始めて覚えたジャンクフードだった。
6ピースを買って2個ずつ食べる。すっごくうまかった。
脂でぎとぎとになってるあたしらを見て、親父は満足げ。
今から思えば、一番親父にとって幸せな時期だったのだろう。

それから数年後あたしは今年二十歳。
すっかり思春期からの親父嫌いも板につき弟もうざがっている。母は子供が巣立ったら即離婚のもよう。
ここで白状すると、この前実は親父の財布から金を抜き取ろうとした。
その中で見てしまったあたし達の小さい頃の写真。涙が溢れてきた。ごめんねじい。
どんなに威厳がなくても子供のことを思ってくれてる父は最高だよね。
今までごめんね。ほんとごめんなさい。

じい、老後はあたしにまかせて。