我が家で飼っていた動物の思い出



191 名前:大人の名無しさん 投稿日:2001/05/16(水) 19:25
病弱な母がとても猫好きで
母が寝ているベッドの足元にはいつも猫が丸まっていた。
小さな頃は母の側で寝られる猫が羨ましくて
押しのけては私も母の足元で丸まってた。

「たま」って名前の猫で誰にも懐かず母にだけ懐いていた。
そんな母が自宅療養では治らないということで
入院することになった。
入院してからすぐにたまきちは家出してしまい
母に「たまどうしてる?」と聞かれると
「ちょっと寂しそうだけど元気だよ」と言って誤魔化していた。
しばらくして母は入院の甲斐もなく病院で息をひきとった。

私達は母に本当のことを言ったほうがよかったのかなぁ?
等と言っていたのだが母が亡くなって数日後の夜
そのたまがひょこりと帰ってきた。

見る影もなくやつれ果てたたまきちは母のベッドに
よろよろとたどり着くといつもなら飛び上がって
登れるベッドに登れず私が抱き上げてベッドに乗せてやると
いつもの母の足元の指定席で丸まって眠ってしまった。

「なんだか疲れ果ててるみたいだねぇ?」とそのままにして
私達も眠ったのだが次の日の朝見に行ってみると
たまはその場所で冷たくなっていた。

私と父で裏庭に埋めてやったのだがそのとき父が
「きっと、かーさんが寂しくてたまを呼んだんだろうな」
とぽつりと言った。

そんな父もすでに亡くなり私は今でも猫を飼っている。
この猫は私が呼んだら来てくれるのだろうか。
膝の上で大きなあくびをしている私の「たま」や。