我が家で飼っていた動物の思い出



116 名前:大人の名無しさん 投稿日:2001/02/22(木) 15:53
昔、雑種の犬を飼っていた。
父の知り合いから譲ってもらったのだけど
当時まだ生まれて1ヶ月くらいの子犬で、真っ白で毛並みもふさふさ。
遠くで「おいで」と呼ぶと、まるで白い毛玉がコロコロ転がるように
走ってくるので「コロ」という名前をつけた。
自分を5番目の家族と固く信じていたようで、家族全員で外出して夜遅くに
帰ろうものなら怒る怒る。それでもって嬉しくってたまらないものだから
その自分の感情をどう表現してよいのか分からず玄関のドアに体当たりを
繰り返す姿がなんともおかしくって可愛かった。
それから12年、すっかり年老いて一日中寝てばかりになってしまったコロ。
ある日、私が学校から帰って部屋でテレビを見ているときに、外で犬の吠える声が
1回だけ聞こえた。すごく元気なはっきりした声だった。
コロはすっかり弱っていてもう吠えることができないし、他に近所で犬を飼っている
ところはない。散歩中の犬が通りがかりにコロに吠えたのかな?
なんとなく気になったので窓から外を見たけど、コロはぐったりとして寝てて
周りに犬の姿はなかった。
しばらくして母が買い物から帰ってきてコロの頭を撫でようと覗き込んだら
コロは目を開けたまま死んでいた。まだ温かかった。
私が聞いた吠え声は、コロがふりしぼって出した生涯最後の声だったのだろう。
甘えんぼの子犬だったコロも、最後は私たち家族を守る番犬として
目を開けて、しっかりと周りを見据えながら逝ったのだろう。
今まで家族を、我が家を守ってくれてありがとう、コロ。
あなたは今でも変わらず私達の5番目の家族だよ。