>>一生忘れられないあの駅&列車・2<<



232 名前:名無し野電車区 投稿日:02/06/18 01:46 id:ySjfx81i
最初に謝っておく。俺自身は、鉄道の知識全然なし。
後輩に結構な鉄道野郎がいて、そいつのパソコン借りて使ってるうちにこのスレに来た。
正直、半分くらい意味不明だけど、楽しく読んだ。それで思い出した、子供の頃の話。

20数年前の北海道、冬の夜遅く。手稲駅から琴似駅へ向かう列車。
親戚の家から帰る途中だったと思う。母親と一緒に。あの列車は…床が木張りだった気がする。
街の中を走る列車だけど、その夜はふわふわのボタ雪が降っていて、なんだか、ずっとトンネル
の中を走っているようで。
列車の中だけが明るく、閉鎖された空間で、まるで異世界
そんな空間を泳ぎながら、子供の俺は運転室に辿り着いた。ドア越しに中を覗き込んでいると、
目的地まであと一駅という時、運転していた若い人が「入りなよ」と、運転室に入れてくれた。
(規則は知らない。だいぶ昔の話だから、問題はないと思うが…)
運転室から見た外の様子は、まるで宇宙船のようだった。夜は深く、雪はまるでカーテンのよう
で、ライトの光が漏れて、列車はレールの上を滑るように…。
わずか一駅の区間だったが、すごく嬉しかった。お礼を言い、琴似駅に降りて振り返ると、運転手が
ドアから身を乗り出して手を振っていた。俺も手を振った。雪の降りしきる中、運転手は手を振り
ながら、列車は光の帯を残しつつ、夜の向こうへ消えていった。

琴似駅にはいろんな思い出がある。昔は踏切が手動だったりした。面白かったよ。
いまはすっかり駅の姿は変わり、周囲の交通も良くなった。これはこれでいいと思う。
でも、幼い頃のあの情景は忘れることないだろう。
あの列車は空を飛んでいたんだと言っても、俺は信じる。